東邦ガスくらしショップ清須市土器野店、株式会社オオタケの大竹です!
冬になると「エアコンの暖房が効かない」「室外機が真っ白に凍っている…」「凍結を示すエラーコードが出る」といったトラブルが発生します。室外機の凍結は寒い地域だけでなく、都市部でも起こる身近な現象です。
放置すると暖房の効きが悪くなるだけでなく、ファンの故障やガス漏れにつながることもあるため、正しい対処が必要です。今回は、エアコン室外機が凍結する原因・自分でできる対処法・業者に依頼すべき症状を解説します。
エアコン室外機が凍結するとどうなる?まずは症状をチェック

エアコンの室外機が凍結しているかどうかは、いくつかの「サイン」で判断できます。冬場の0度を下回る日に、エアコンの不調がみられる場合は、まずは以下の症状が出ていないか確認してみましょう。
霜取り運転モードを示す表示やエラーコードが出る
一番よくある現象が「霜取り運転モード」が表示されることです。霜取り運転(除霜運転)とは、冬の暖房運転中に室外機に付いた霜や氷を自動で溶かすための運転モードのことです。はじめて見るときはびっくりされるのではないでしょうか。しかしご安心ください。このモードは故障ではなく、霜を溶かすための仕様です。
霜取り運転が始まると、暖房が一時的に停止します。これは室内に冷たい風が出ないように送風を止めているためで、故障ではありません。また、室外機から湯気が出たり、音が一時的に変わることがありますが、いずれも霜が溶ける過程で起こる正常な現象です。霜取り運転の時間は数分から長くても15分程度で、外気温が0〜5℃前後のときや、雪や雨で湿度が高いときに発生しやすくなります。
暖房が効かなくなる(温風が出ない)
「霜取り運転モード」が備わっていないエアコンの場合、室外機が凍結すると、暖房の効きが大きく低下します。暖房運転をしていても温風が出なかったり、温度設定を高くしてもぬるい風しか出なかったりといった症状が現れます。
また、風量はしっかり出ているのに部屋がなかなか温まらない、急に暖房能力が落ちたと感じる場合も、室外機が凍結していることが原因であることが少なくありません。このような症状は、特に外気温が低くなる朝方や夜間に発生しやすい傾向があります。
室外機からカラカラという音がする・動かない
室外機が凍結すると、異音がしたり動かなくなったりすることがあります。凍結が進むと、室外機内のファンが氷に接触したり、モーターへ過度な負荷がかかるため、さまざまな異常が発生します。
例えば、ガリガリ、カラカラといった異音が聞こえる、ファンが正常に回らない、あるいは室外機自体がまったく動かなくなるといった症状が代表的です。これらは室外機が凍結によって正常に作動できていないサインです。
この状態を放置すると、ファンモーターの損傷や基板の故障につながる可能性があります。異音がする、動きが不安定といった兆候がある場合は、無理に運転を続けず、早めに対処することが重要です。
エラーコードが表示される
室外機が凍結すると、エアコンが安全のために自動で停止し、エラーコードを表示することがあります。これは機器の保護機能が働いた結果であり、異常を知らせる重要なサインです。
例:
「U4」「H3」「P9」など(メーカーにより異なる)
「室外機異常」などの表示
エラーコードは故障の予兆となることが多いため、表示された際は取扱説明書やメーカーの公式サイトで内容を確認し、必要に応じて専門業者へ点検を依頼することをおすすめします。
室外機が凍結したときの正しい対処法

ここからは室外機が凍結したと思われるときの対処法を解説してまいります。ポイントとしては、様子を見ながら慌てず対処することと、室外機とその周囲を掃除することです。特に、「コンセントを抜き差しする」「熱湯をかける」といった行為は故障につながる可能性があるので絶対にやめましょう。
霜取り運転モードは表示されているときは
このモードが表示されているときは故障ではありませんので、そのまましばらく運転を続けましょう。通常は数分から10分程度で完了します。表示が消えれば暖房運転が再開し、再び温風が出るようになります。
もし霜取り運転が頻繁に発生したり、10〜20分以上続いて暖房が戻らない場合は、フィルターの詰まり、外気温の大幅な低下などが原因として考えられます。それでも改善しない場合は、故障の可能性もあるため、専門業者に相談しましょう。
30分ほど暖房の設定温度を高くしてみる

霜取り機能がついていない場合の対処になりますが、室外機の凍結が疑われる場合は、一時的にエアコンの暖房能力を最大にし、強制的に室外機を稼働させることで、凍結が解消されることがあります
具体的には、設定温度を28〜30℃程度に上げ、風量を「強」または「自動」に設定します。その状態で30分ほど運転を続け、暖房が回復するかどうか様子を見てください。室外機への負荷は多少かかりますが、軽度の凍結であればこの方法で改善することがあります。
コンセントの抜き差しはNG(故障につながる)
「一度電源を入れ直せば直るかも」と思ってコンセントを抜く方もいますが、これは非常に危険です。基板に負荷がかかったり、故障やショートの原因になります。特に凍結中は内部の温度差が大きく、電装部分にダメージを与える危険性があります。むやみに電源操作をせず、自然な霜取りを優先しましょう。
周囲の雪や氷を手で優しく取り除く

室外機の周りに雪が積もっている場合は、通気が悪くなり、さらに凍結を進行させます。吸気・排気の通り道をふさがないように、丁寧に取り除きましょう。無理やり氷を剥がそうとすると部品を傷つける恐れがあるため、あくまでも「周囲の雪」を優しく取り除く程度に留めてください。
ぬるま湯をゆっくりかけて解凍する
室外機が部分的に凍結している場合は、ぬるま湯をゆっくりかけて解凍する方法が効果的です。室外機は屋外で雨にさらされることを想定して設計されているため、上から少しの水やぬるま湯をかける程度であれば問題ありません。
ただし、大量のぬるま湯を一気にかけたり、吹き出し口や吸い込み口から内部へ水が入り込むようなかけ方は避ける必要があります。水が内部に入り込んで底板に溜まると、それが再び凍結して膨張し、内部から破損させる恐れがあります。あくまでもゆっくり慎重にかけてください。
熱湯をかけるのは絶対にNG
熱湯をかけるのは絶対に行ってはいけません。凍った室外機に熱湯をかけると、急激な温度差によって内部の金属部品や樹脂部品が破損したり、ひび割れたりする恐れがあります。
熱湯は大量の水蒸気を発生させるため、その水蒸気が室外機内部に入り込むと、屋外の冷たい空気で急速に冷やされて結露や凍結を引き起こします。内部の電子基板や配線が濡れて損傷する可能性もあり、故障につながる危険性が高いです。
室内機のフィルターの掃除を行う
室内機のフィルターが詰まっていると、吸い込む空気量が減り、室外機に負担がかかって凍結を引き起こすことがあります。
フィルター掃除の手順は次の通りです。まず室内機からフィルターを取り外し、掃除機でホコリやチリを丁寧に吸い取ります。水洗いが可能なタイプの場合は、中性洗剤を使って優しく洗い流し、しっかり乾かしてから元に戻してください。濡れたまま取り付けるとカビの原因になるため注意が必要です。
フィルターの清掃は凍結予防にも効果があるため、月に1回程度を目安に定期的にメンテナンスを行うことをおすすめします。
改善しない場合は業者による点検を
上記の対処を試しても状況が改善しない場合は、エアコン自体に何らかの不具合が発生している可能性があります。
- 冷媒ガス不足・漏れ
- ファンモーター故障
- 熱交換器の汚れ
- 基板トラブル
- 経年劣化(10年以上使用している場合)
これらはお客様自身での修理が難しいため、修理業者による点検が必要です。無理に使い続けると故障が進行したり、修理費用が高額になるケースもあるため、早めの相談がおすすめです。
凍結を防ぐための予防策
室外機の凍結は、気温の影響だけでなく、エアコンの使用状況やメンテナンス不足が原因で発生することもあります。日頃から対策を行っておくことで、未然に防ぐことができます。ぜひ試してみてください。
室外機の周囲を塞がない(30cm以上あける)
室外機は「空気の吸い込み」と「排出」を繰り返しながら熱交換を行っています。周囲に障害物があると通気が悪くなり、結露や霜が付きやすくなります。可能な限り前後左右30cm以上のスペース を確保すること。植木鉢やモノが置いてある場合はどかしましょう。
屋外カバー・屋根をつけて雪を防ぐ
室外機に雪が直接当たると凍結しやすくなります。それを防ぐために、簡易の屋根やカバーを取り付けると効果的です。特に北側の設置や風雪が強い地域では、屋根の設置は必ず必要になります。
ドレンホースの位置・流れをチェック
エアコンの運転中に出る水(ドレン水)がうまく排出されないと、ホース部分の凍結の原因になります。
- ドレンホースが折れていないか
- 先端が地面に埋もれていないか
- 水溜りや泥で塞がれていないか
特に冬は排水した水が凍りつき、ホースを塞いでしまうことがありますので、詰まりや凍結に気づいたら、周囲の氷や雪を取り除いてあげましょう。
定期清掃と定期メンテナンス
先程お伝えしたとおり、室内機のフィルターが詰まっていると、吸気が不足し、結果的に室外機に無理な負荷がかかって凍結を招く場合があります。月1回を目安にフィルターを掃除しましょう。空気の流れをスムーズにするため、凍結だけでなく電気代の節約にもつながります。
また、エアコンの冷媒ガスが不足すると、熱交換が正常に行われず、室外機が凍りやすくなります。ガスは自然に減るものではないため、不足している場合は「ガス漏れ」の可能性があります。数年に一度業者による点検を受けることおすすめします。
エアコン修理費用の目安

お客様ご自身で雪の除去や掃除を試しても直らない場合、修理が必要な場合がございます。
以下は、私たちオオタケの一般的な修理費用の目安となります。実際の費用は機種や設置環境、故障の程度によって変動しますので、あくまで参考価格としてご覧ください。
| 修理の内容 | 修理費用の目安 |
|---|---|
| 診断・出張費用(調査のみ) | 無料〜5,000円程度 |
| エアコンクリーニング(フィルター掃除) | 約8,000円~25,000円 |
| 冷媒ガスのガス補充 | 約10,000円〜25,000円 |
| 室内機の基板交換 | 約15,000円〜55,000円 |
| 室外機のコンプレッサー交換 | 約30,000円〜70,000円以上 |
| 室内機のファンモーター交換 | 約10,000円〜25,000円 |
| ドレンホース詰まり・水漏れ | 約5,000円〜15,000円 |
| リモコンの不具合(買い替え) | 約2,000円〜5,000円 |
| 異音・振動の調整 | 約5,000円〜20,000円 |
以下は家庭用室内エアコンの本体価格と交換費用の目安になります。
| エアコン本体価格 | エアコン交換工事費 | 合計費用 |
|---|---|---|
| 約40,000〜250,000円 | 約25,000〜40,000円 | 約65,000〜290,000円 |
※メーカーや機種によって部品価格が異なるため、費用は前後します。
※出張エリアによっては別途交通費が加算される場合もあります。
※本体価格は中古・新品・メーカー・性能で大きく変動します。
※交換工事費用は室外機の特殊設置(屋根置き・壁掛け・二段架台など)がある場合は、別途10,000〜30,000円程度の追加費用が発生することがあります。
エアコンの修理費用のより詳しい解説や修理の流れは以下の記事でより詳しく解説しています。ぜひこちらも合せてご参照ください。

まとめ

エアコン室外機の凍結が起きた場合、まずは焦らずに対処しましょう。室外機にお湯をかけるなどの誤った対処は故障の原因になるためNGです。霜取り運転を待つ、周囲の雪や氷をやさしく取り除くなど、正しい対処を心がけみてください。
そして、それでも温まらない場合や、凍結を繰り返す場合は、室外機を設置している場所の改善や、内部の部品故障やガス不足が考えられます。そのようなときは、ぜひオオタケにご相談ください。
オオタケでは、必要に応じた修理・交換まで一貫対応しています。暖房の効きが悪い、少しでも違和感があると感じたら、どうぞお気軽にお任せください。